STANDARTのサンプルコーヒーを熟成させたらチョコレートの香りをまとっていた
この本を雑誌というくくりで考えてもいいものか。
いつもそう思わせてくれるコーヒーの季刊誌「STANDART」には、魅力的なコーヒーロースター(世界の!)のサンプル豆がついてきます。
ショップで買うと高価なので少し買うのをためらってしまうような銘柄でも、サンプルとして付属してくるのでこの本は本当に読み手のことをとことん考えてくれているなあと思います。
読書の友にコーヒーを
この感覚は世界共通なのかな?と個人的には思っています。
本のジャンルは何であれ読み進めていくうちに喉の渇きを覚えるのは自然なこと。そこで水やジュースをチョイスすると「ただ」の水分補給になってしまうような気がして少し物足りなく感じてしまうのですが、そんな時こそコーヒーの出番なのです。
ワタシが思うコーヒーの素晴らしい点はその香りにあると思っています。これもワタシの経験則なのですが、コーヒーの香りには2つの作用があると思っています。
1つ目は過去の記憶を一瞬で呼び戻してくれる事。
自分の中で、過去の印象的な出来事の記憶には決まってその時飲んでいたコーヒーの香りが強烈にインプットされています。
現在と昔を自由きままに脳内トリップさせてくれるコーヒーは、今読んでいる本の内容と自分の過去の経験を、思いもよらぬ形で組み合わせ、全く新しいアイデアを運んでくれる時があります。
口にするのはちょっと恥ずかしいですが、ワタシにとってコーヒーはタイムマシンのような存在なのです。
2つ目は、思いがけない出会いを与えてくれるという事。
どちらかと言えば、ワタシは喫茶店で出てくるような、ほろ苦く、「そう簡単に子供には飲ませないよ」と静かに主張してるようなコーヒーが好きなのですが、シングルオリジンと呼ばれる個性的なフレーバーを持つコーヒーも時々飲むことがあります。
それらのコーヒーはワタシの中の引き出しにはないフレーバーを放つものも多くあり、未知の香りを常に提供してくれています。
それはまるで、世の中に存在する膨大な書籍のように読んでも読んでも新しい発見がある読書体験とオーバーラップする部分があると感じています。
だから必然的に「読書にはコーヒー」と、ワタシにはインストールされているのかもしれません。
プチ熟成コーヒー
前置きが長くなってしまいましたが、今回はそのサンプルで付いてくるコーヒーについてです(16号はMAMEのコスタリカ El Diamante)。
サンプルなので量は多くなく、およそ40gほど入っているのですが、全て普通に飲んでしまうのはもったいないなと思い、毎回1杯目はブラックで、2杯目はミルクを入れて、と、ワタシなりに少し変化をつけて楽しんでいます。
今回のコーヒーに関しては1度ブラックで飲んだ後に密封した瓶の中で4ヶ月ほど保管し、どんな感じになるのかを試してみました。そしてそれがすごく良かったんです。
パッケージには「アップル・シナモン・レーズン」というフレーバーが記載されていて、開けたて時は本当にその通りだなと思いました。
ですが、この熟成したコーヒーの香りがさらに変化していたのです。それは瓶を開けた瞬間、チョコレートの香りがふわっ~とあたり一面に漂うほど。
コーヒーの香り好きの3才児にも試してもらいましたが、「どう?チョコレートの香りする?」「うん、チョコレートの香りがする」と言ってました(言わされてる感満載でしたが、、)。
そしてもちろんできたコーヒーも絶品でした。今まで飲んできた浅煎りコーヒーの中で一番美味しいかも?と思えるくらい、たった1杯のコーヒーに貴重な体験をさせてもらえました。
こういう思いがけない出会いがあるから、趣味としてのコーヒーはやっぱりやめられませんね。
楽しみ方に正解なんてあってないようなものなので誰もが思い思いに、今回みたいに熟成させるとか冷凍させるとか、いろんな器具を使ってみるとか楽しんでいければいいのかなぁと思います。
例によって今回も娘に抽出を手伝ってもらいました。
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